ということで、昨日の続き。ほっき貝漁について。要は獲り方です。
ほっき貝は海底の砂に隠れて生息しています。海底といっても数(十)メートルくらいです。人が潜って獲っていたのでは商売になりませんから、漁船に機械を積んで、その機械で獲ります。
方法はいたって簡単。潮干狩りをするようなイメージです。潮干狩りでは手持ちの熊手を利用して、砂を掘ってアサリなどの貝を採取しますね。それと同じような感じで、大きな熊手で砂を掘りながら、ほっき貝を獲りつつ、熊手の後ろに取り付けられた網にため込んでいきます。
この機械(漁具)のことを「マンガ(貝桁)」と言います。写真がないとイメージわかないと思うのですが、残念ながら資料がありません。
このマンガを使えば海底にいるほっき貝を大量にゲットできるわけです。しかし、それをやってしまうと、ほっき貝を獲りつくしてしまい、次のシーズンの時にはほっき貝漁ができなくなってしまいます。そのため、八戸市ではその時々で獲ることのできる漁獲量を規制(コントロール)しています。さらに次のシーズンのためにほっき貝の子供を放流しています。これで比較的安定した漁業ができるわけです。「一人だけ儲けよう」なんてずるをしてはいけません。貴重な資源ですからね。
マンガにもいくつか種類があるのですが、現在は噴流式が主流。
潮干狩り用の熊手を見てもらえば分かると思いますが、鋭く大きな爪なわけです。マンガもさらに大きな爪になります。これを海底の砂でズスズス引きずると、ほっき貝に傷がついてしまいます。「くだけ」というやつです。こうなると商品価値も落ちますし、ほっき貝が割れているので、すぐに死んでしまいます。
そこで、爪をなくして、海水をジェット噴水のように砂底に吹き付けて獲るのが噴流式です。そうすることでほっき貝に傷がつかなくなります。ただし、海底の砂を噴水によって巻き上げることになるので、海底にいる魚介類は大迷惑です。特に問題になるのが、ほっき貝の子供。この子供が噴水によって死んでしまうのです。メリットもあればデメリットもあり・・・。
ということで、漁場も規制されています。そうやってほっき貝を保護するのです。
ほっき貝漁は冬の時期に行います。冬の海は大変危険ですし、とても寒い。そんな厳しい環境の中、おいしいほっき貝を獲ってきてくれるのだから、大変ありがたい。気を付けて漁してください。
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